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「AFFAIR」
たとえ、これが恋だとしても・第Ⅰ部

出会いは波乱とともに 【5】

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「まだ緊張していらっしゃるのよね。そのことは重々理解しておりますが、でも教えていただきたいですわ」


態度や言葉遣いこそ、亜紀が今まで慣れ親しんだものではない。しかし、根本にある好奇心は絶対に同じ。もしくはそれ以上だ、と亜紀は感じている。

こうなった以上、逃げるのが得策。そうでなければ、この質問の嵐からは逃れられない。

ところが、相手もそれを察しているのだろう。彼女の逃げ道をふさぐように、がっちりと周囲を固めている。そうなった以上、逃げられるはずもない。また、目の前の一団からだけではない視線も体中に感じている。


「えっと……どういえばいいのかな?」


こうなったら、可愛らしく分からないふりをして逃げ出そう。そうするしかない。

そう思った亜紀だが、彼女が相手にしている面々はそんなことで誤魔化されるようなことはない。絶対、彼女たちは由紀子よりも性質(タチ)が悪い。これが今の亜紀の偽らざる本心だろう。そんな時、廊下の方から耳に馴染んだ声が飛び込んでくる。


「亜紀ちゃん、授業は終わったんでしょう? だったら、一緒に帰らない?」


その声を耳にした瞬間、亜紀は完全に沈没してしまっている。一方、彼女の前に群がっていた女子生徒は顔を赤くして廊下に視線をやっている。そんな中、人畜無害という笑顔を貼り付けた拓実が教室の入口に姿をみせていた。


「ほら、亜紀ちゃん。もう終わっているんだろう? 雅也には連絡しといたし、一緒に帰ろう」


キラキラとしたオーラが感じられる声が周囲に響く。それを耳にした亜紀はどこか拗ねたような表情を浮かべながら疲れたような声で応えることしかできなかった。


「どうして、ここに来るのよ……あれほど、やめてってお願いしていたじゃない……」

「え? だって、心配じゃないか。亜紀ちゃんは高等部からここに通うんだし、クラスのみんなと上手くやっていけるかきになるのは当然でしょう」

「だからって、このタイミング? お仕事あるって言ってたじゃない!」

「う~ん、それは他の人に任せてきたよ。うん。みんな僕よりも年上で、しっかりしているから大丈夫」

「そんな問題じゃないと思うんだけどな」


ポンポンとやり取りされる亜紀と拓実の言葉に、その場にいた面々はどこか唖然としてしまっている。もっとも、亜紀はそのことに気が付いている様子もない。だが、周囲の様子を敏感に感じた拓実は満面の笑みを浮かべながら、教室にいるメンバーに声をかける。


「あ、騒がしくしてしまったね。紹介しておくよ。僕の妹の亜紀ちゃん。今まで事情があって別の学校に行っていたんだけど、高等部から一緒になったから。みんな、仲良くしてあげてね」


拓実のこの言葉は紹介としては間違いがないだろう。だが、これ以外の表現がなかったのだろうかと亜紀は思っている。

なにしろ、今の拓実の発言はメガトン級の爆弾並みの威力を持っているからだ。だからこそ、それまで以上の人数が彼女のもとに群がってくる。

この状況は『もみくちゃにされる』としか言いようがない。年末のバーゲン会場が可愛らしいものに思える。好奇心旺盛なお嬢様たちの質問の雨に、亜紀はそう思うことしかできない。

だからだろう。なんとか教室を抜け出すことのできた亜紀の口からは「酷い目にあった」という言葉しか出てこない。そんな彼女に、拓実は飄々とした調子で応えている。


「どこが酷い目にあったの? ちゃんと亜紀ちゃんのこと、紹介してあげたんだよ。あのままだと、亜紀ちゃん、クラスで浮いちゃってただろうし」

「お兄ちゃんのその心遣いはありがたくいただきます。でも、あれって間違いなく逆効果よ。そう思わないの?」

「そんなことないって。みんな、いい子たちばかりなんだけど、初対面の相手には好奇心が旺盛になっちゃうんだよね」


拓実のその声に、亜紀は冷ややかな視線を向けるだけ。だが、敵もさるもの。そんな彼女の視線を気にもせず、満面の笑みを拓実は浮かべている。


「さ、話も済んだし、帰ろうね」


当然のように告げられる言葉に、亜紀はあいた口がふさがらなくなっている。いや、たしかに自分は帰るつもりだったし、帰らないといけない。

だが、この学園の理事長である拓実までがこんな時間に帰ってもいいのだろうか。そんな無言の問いかけが彼女の視線からは読み取れる。

もっとも、拓実という相手がそのようなものに負けるはずがない。彼は態度を変えることなく。亜紀に語りかけている。


「さっきも言ったよね。今日は亜紀ちゃんと一緒に帰るの。これはもう決定事項。雅也にも連絡しているから、もう来ている頃だと思うしね」


ニコニコと笑いながら告げられる言葉に、亜紀は反論するだけ無駄だということを感じている。どこか疲れたように肩を落とした彼女は諦めの声を出すことしかできなかった。


「お兄ちゃん、こういうことって今日だけにしてくれるわよね? 私、恥ずかしくって明日から学校を歩けないから」


周囲が亜紀たちの様子を見ていることを彼女は敏感に察している。たしかに、気配は隠しているが、興味深そうな視線が向けられていることは間違いない。つまり、セレブだとはいうが、本質は普通の高校生を変わらないわけだ。

そのことを思い知らされたのだろう。亜紀は大きくため息をつくと、どこか遠い目をしながら拓実と一緒に帰るしかない。


「私、これから上手くやっていけるのかな?」


そんな疑問が浮かんでくるが、誰も応えてくれるはずがない。これからの毎日もこんな騒動しいものなのだろう。そう思った亜紀は、頭が痛くなってくるのを抑えることができないようだった。



◇◆◇◆◇



そして、学校とは別のある場所。

そこでは亜紀と年の変わらないような人物がベッドにゴロリと転んでいた。特に何かを考えている、というわけではないようだが不機嫌にもみえる表情がうかがえる。

その時、軽く部屋の扉をノックする音。部屋の中にした相手がそれに応える前に、香り高い匂いがあたりを満たしていた。


「コーヒーをお持ちいたしました」



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