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「AFFAIR」
たとえ、これが恋だとしても・第Ⅰ部

出会いは波乱とともに 【3】

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「あなたがおっしゃりたいことは分かりますわ。でも、先ほど一條家のリムジンが停まっているのをみかけましたわ。それと関係あるんじゃありませんかしら」

「きっと、そうですわね。それに、今まで見たことのない名前ですわよね。だとすれば、外部入学は間違いないのに、1組だなんて少しおかしいと思いません?」

「ええ。外部からの方なら、絶対に1組にはならないはずですものね」


そこで話に花を咲かせているのは、先ほどとは別のグループ。そして、今度は叫び声というオプションのせいか、話の内容がはっきり耳に入ってくる。

もっとも、彼女たちの話している内容がチンプンカンプンだというのは変わらない。そうはいっても、女子生徒の言動が今まで知っていたパターンと同じものであるような雰囲気も感じられる。

噂話が好きなのは、セレブも何も関係ないんだ。これなら、きっとここでもやっていける。そんなことを亜紀が思っていた時、校門の方から黄色い声が聞こえてきていた。

一体、何があったのだろう。そして、先ほどまで澄ました調子で話していた面々もどこか色めき立っている。そんな中、悲鳴の中心にいる相手の姿を見た時、亜紀は唖然としてしまっていた。


『こ、この人……ほんとにこの学校の生徒なの?』


間違っても口に出せない思いが、亜紀の心の中を駆け巡っている。なにしろ、その相手のインパクトが強すぎるのだ。

入学式当日だというのに、どこか着崩したような制服。切れ長の黒い目は印象的だが、野性的という雰囲気の方が強い。とはいえ、この相手から感じるオーラは力強いとしか言いようがない。

間違いなく、この人物は自信家だ。そんな確信が亜紀の中にはある。そして、こういう相手には絶対に関わってはいけない。そんな警報も彼女の中では鳴り響いている。

うん、ここは無視するべき。それに、同じ新入生とはいっても関わり合いになるはずもない。そう思って歩き始めた時、亜紀を呼びとめる声が響いていた。


「おい、お前。名前はなんていうんだ」


いきなり投げかけられた声は傍若無人としかいいようがない。そのことに気が付いた亜紀の顔には青筋が立っている。一体、この相手は何様だ、といいたげな色がはっきりと浮かぶ。


「は? 人に名前を訊ねるときは自分から。これって常識ですよね」


思いっきり嫌味も込めて投げつけられた言葉。そんな亜紀の様子に、相手は面食らったような表情を浮かべている。もっとも、次の瞬間にはいかにも楽しそうな調子で大笑いを始めていた。


「お前、最高。それより、俺の名前、知らないんだ」

「知りませんし、知りたいとも思いません。それより、あなたも新入生なんでしょう? 入学式、遅れますよ」


相手の着崩した制服。そして、緩められたネクタイの裾を彩るラインは自分のものと同じ色。

となると、彼も間違いなく新入生だ。そう思った亜紀が問いかける声に、相手は興味なさそうな声で応えていた。


「あぁ、入学式ね。そういえば、そんな堅っ苦しい行事があったな。さぼってもいいんだけど、煩いヤツがいるからな。一応、出ておこうか」


そう呟きながら踵を返す相手の姿を亜紀はキョトンとした顔でみつめるだけ。その姿に何かを勘付いたのだろう。相手はニヤリと笑いながら言葉を続けていた。


「おい、お前、迷っているんじゃないのか? だとしたら、いいこと教えてやろうか。入学式の会場はあっち」


そう言いながら相手が指さす方向は間違いなく入学式が行われる講堂。そのことに気が付いた亜紀は、相手に向かってペコリと頭を下げていた。


「ありがとうございます。初めてのところなので、どうしようかと思ってましたから。おかげで迷わずにすみます」

「へ!? お前、今、なんて言ったの?」


先ほどまで怒っていたはずの亜紀が頭を下げてきた。これは間違いなく驚くことといっていい。だが、当の本人である亜紀にすればこの行動は当然のこと。だからこそ、ハッキリとした口調で言葉を返す。


「私、おかしなこと言ってません。教えてもらったからありがとうって言っただけです。それっておかしいですか? じゃあ、もう時間もあまりないみたいですし、失礼します」

「ほんと、変なヤツ……」


ぼんやりとした顔でそう呟かれた声。もっとも、それはすでにその場を離れていた亜紀に届く気配はないようだった。



◇◆◇◆◇



「うん。教室は普通、よね……普通、だと思いたい。講堂は予想通り豪華だったけど……でも、ここだとあれが普通なんだろうか?」


入学式も無事に終わり、クラスメイトとともに1年1組の教室へと入っていった亜紀はそう呟くことしかできない。

その理由は簡単。なにしろ、先ほどまでいた場所に完全に圧倒されているからだ。あそこは『講堂』で間違いないはず。しかし、彼女の感覚ではあれはどうみてもホールでしかありえない。

とはいえ、クラスメイトたちはそのことに違和感を覚えている様子はない。これがセレブの感覚なんだろうか。だとしたら、ここで本当に自分はやっていけるのだろうか。

そんな思いが彼女の中ではグルグルと渦巻いている。その彼女の耳に、爽やかとしかいいようのない声が飛び込んできていた。


「席順、黒板に張り出してあるからな。それみて、さっさと席に着く」


この声の主は担任の教師なのだろう。そう思った亜紀は名前を確かめると席を探している。

もっとも、新学期である今回の席順が名簿順であるのは間違いない。そうである以上、『一條』という姓の彼女は、必然的に一番前の席を陣取ることになる。

こういう時の一番前はどこか居心地が悪い。そんなことを思う亜紀の耳にはクラスメイトたちが好き勝手に話を始める声も届いている。間違いなく、彼らはすでに面識があるのだろう。この雰囲気では、途中から入ってきた自分は不利でしかない。そんなことを考えている亜紀は、担任の声をぼんやりと聞くことしかできなかった。


「おい、席に着いたか。じゃ、早速だが自己紹介かな」


その声に、一人の男子が反論の声を上げる。


「先生、その必要ありますか? 中学のころと変わっていないように思うんですが」

「おい、お前の目は節穴か。見たことのない名前があることに、気が付いていなかったんだな」



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