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「AFFAIR」
たとえ、これが恋だとしても・第Ⅰ部

出会いは波乱とともに 【2】

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雅也の言葉から、このことを言い出したのが誰なのかはっきりと悟った亜紀は、がっくりと首をうなだれることしかできない。結局、彼女は諦めきったような声を出すことしかできなかった。


「まったく……あのお父さんは……っていうことは、お兄ちゃんもなのよね?」

「よく、おわかりで。拓実様にいたっては、ご一緒に帰るとまでおっしゃいました。もっとも、そこまでなさるのは問題があると判断いたしましたので、丁重にお断りしておきました」

「その点に関しては感謝します。でも、お兄ちゃんも何を考えているのよ」


雅也はさり気ない口調で話しているが、その時にどれだけの苦労があったか気が付いている亜紀は、ため息をつくことしかできない。

たしかに、慎一や拓実と出会ってから時間はそれほど経ってはいない。それでも、今の亜紀は自然に二人のことを『お父さん』、『お兄ちゃん』と呼ぶ。彼女のそんな姿に、雅也はフッと満足そうな表情を浮かべて話を続ける。


「これはある意味では仕方がないことだと思われます。なにしろ、奥様が亡くなられてから、あの家には女性がおられませんでしたから。そして、お嬢様は美鈴様の忘れ形見です。旦那様や拓実様が甘くなられるのは、当然のことです」


キッパリと言い切られる言葉に、亜紀は思わず肩を落としている。その時、学校に到着した車が静かに停まっていた。それと同時に、助手席に座っていた雅也が降りると後部座席の扉を開ける。

そんな彼にエスコートされるようにして車から降りたった亜紀。今の彼女は、これから学生生活を送る白綾学園の校舎を見上げることしかできなかった。


「竹原さん、ありがとう。熊田さんもご苦労様」

「お嬢様、わたしたしにそのような言葉は不要です、と申し上げていませんでしたか?」


亜紀の言葉に、雅也が苦笑を含んだ声で応えている。それに対して、亜紀は納得いかないという表情しか浮かべることができない。だからこそ、彼女はあえて雅也の言葉に反論の声をあげる。


「あら、お礼は大事じゃない? 私はそう思っているの。だから、竹原さんがなんといっても、これはやめないわよ。それに、お礼を言われて悪い気持ちってしないでしょう?」

「まったく……お嬢様にはかないません」


やれやれといった表情でそう返す雅也だが、その声にはどこか安心したものが含まれている。だが、そんな表情を一瞬で消した彼は、きびきびした様子で言葉を続けていた。


「正面の掲示板にクラス分けの掲示がございます。恐らく、名前をごらんになっても訳の分からない状態だと存じます。それでも、お目はお通しください。その後は案内に従ってくだされば問題はないと思います。不明なことがあれば、待機している職員にお訊ね下さい。それでは、お気をつけて行ってらっしゃいませ」


そう告げると、雅也は深々と腰を折っている。その姿に軽く会釈した亜紀は、彼が口にした掲示板を探すために一歩を踏み出していた。


「ねえ、あれって一條家のリムジンじゃない?」

「そうよ。じゃあ、あの方はどなた? そのリムジンから降りてこられたようだけど」


亜紀の姿をみつけた中等部からのエスカレーター組らしき何人かの女子生徒が固まって噂をしている。もっとも、彼女たちはヒソヒソ声で話をしているつもりなのだが、風がその声を亜紀の耳にまで運んでくる。

どうみてもセレブという雰囲気の彼女たちだが、こういう部分は普通の女の子なんだ。そう変なところで納得した亜紀は、彼女たちの横を通り過ぎていく。それを目にした女子生徒たちの好奇心に満ち溢れた声が聞こえてくる。


「ねえ、あの方って見たことある?」

「いいえ。中等部からの方ではありませんわよね」

「ええ。ほら、高等部では1クラス分の募集がございましたでしょう? ですから、外部入学の方ではございませんこと?」

「わたくしもそう思っていましたわ。だとすれば、6組になられるんですよね。なんだか勿体ないと思いませんこと?」


女子生徒たちの話題になっているのは、亜紀のことに間違いない。だが、それを耳にしている本人は、彼女たちが過剰評価している、という結論しかもっていない。もっとも、そう思っている亜紀の容姿がかなり目立つものだということに、彼女自身が気づいていない。

彼女の肩にかかる程度の黒髪はきちんと手入れされているため、艶々としている。きめ細かな白い肌は間違いなく人目をひく。そして、表情豊かな大きな瞳に映っているものに興味を持たない者がいるとは思えない。

だが、亜紀はそんな視線を気にすることなく真っ直ぐに掲示板へと足を進めている。そこの1組の部分に名前があるのを確かめた亜紀は、軽くため息をつくことしかできなかった。


「見たからって、誰が誰か分かるわけないじゃない。ほんとにどうしろっていうのよ」


ボンヤリと呟いた彼女の視線は、そのまま他のクラスの名簿へと移っている。もっとも、知らない名前ばかりが並んでいるそれを見ることは退屈でしかない。しかし、学年のクラス数だけでも把握しておきたい彼女にすれば、文句を言うべきことではない。

苦行ともいえる時間を過ごした彼女は学年が6クラス、各クラスが40人で構成されていることを把握している。そんな時、他の生徒たちの叫ぶ声が辺りに響く。その声に引きずられるかのように、亜紀はそちらへと視線をやっていた。


「ねえ、1組のところを見て。一條亜紀ってあるわ。今まで、こんな方いらっしゃった?」

「いいえ。それよりも一條っておっしゃらなかった? だとしたら、理事長の親戚なんじゃありませんこと?」

「そうかもしれませんわね。でも、違うような気もいたしますわ」

「どうして、そう思われますの? 一條といえば、理事長の親戚と思うのが自然ではございませんか」


それぞれが思うことを口にしている。その内容を耳にした亜紀の表情は微かに強張っていく。だが、そんな彼女の様子に気がつく相手がいるはずもない。彼女たちは思い思いのことを口々に叫んでいく。


「それはそうかもしれませんわ。でも、今の一條家には高校生になるような方はいらっしゃらないはずですわ。そのことは皆さま、ご存知のことではありませんか」

「たしかにそうなんですけれども……でも、あそこの分家は絶対に一條は名乗れませんわよね。だとしたら、一條本家の方、と思うのが自然なのかもしれませんわね。でも、それなら中等部から、いえ初等部からいらっしゃらないとおかしいのではありませんこと?」



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