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「AFFAIR」
たとえ、これが恋だとしても・第Ⅰ部

新しい生活へ 【4】

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「どうして『引き取った』ではなく、『預かった』なの? こういう場合って普通は引き取るっていうんじゃないの?」


死んだといわれているのは見たこともない相手だが、美鈴は亜紀の実の母親らしい。となれば、その相手を『死んだ』という表現で済ませることは友人思いの由紀子にとっては心が痛い。

だが、そう思っていては話が進まない。そのことに気が付いている彼女は、顔を歪ませながらも話を続けていた。そんな彼女の様子に、竹原が感心したような声を上げる。


「本当に佐藤様は聡明なお方でいらっしゃいます。お嬢様のご友人としては理想的なお方ですね」

「褒めても何も出ません。それより、もったいぶらずに話を続けてもらえませんか?」

「かしこましました。残りの話は簡単です。美鈴様のご遺志は、お嬢様を里見伸吾様・夏実様のご養女となさることでした。しかし、そのことを了承できなかった方々がいらっしゃいました」

「分かりました。で、その続きは?」


竹原が口にすることは、簡単に信じることができない。だが、話を進めなければますます分からなくなる。そのことを感じ取っている由紀子は、話を促す言葉しか口にすることができない。

そんな彼女の苛立ちは簡単に分かる。それなのに、竹原は調子を変えることなく話を続けていく。


「はい。その方々の出された条件が、16歳になられたお嬢様が一條家に戻られる、ということでした。里見様ご夫妻は期限が切られているということを承知の上で、お嬢様を娘として育ててくださったというわけです」

「なんだか、話を大きくすっ飛ばされているような気がしないでもないんですけど……でも、今の話を聞いている限り、穏便な形で話が進んでいるとは思えないんですよね」

「そのようにお感じになられましたか?」

「あなたの話し方からだと、何事もないように感じられるんです。でも、そうじゃないっていうのはビシバシと感じる。でも、あなたはそのことを話すつもりがないんですよね? ついでに、なんだか聞かない方がいいような気もしてくるし……」


竹原の言葉の端々から何かを感じ取ったのだろう。由紀子はちょっと身震いをしながら話している。そんな彼女の様子に、竹原は満足そうな色を浮かべていた。


「その方が賢明だと思います。ということは、お嬢様の置かれているお立場をご理解いただけたと思ってよろしいのでしょうか?」

「まだ、納得しきらない部分がありますけど、そうも言っていられないんでしょうね。それはそうと一條家って? 話を聞いた感じだと、かなりのお金持ちのようですけど」

「佐藤様はご存じありませんか?」

「何を?」

「一條コーポレーションです」


さらりと告げられたこと何、由紀子は驚きの色をみせることしかできない。なにしろ、彼が口にした企業名は有名すぎるほど有名。それでも、どこか信用することができない。そう思う彼女は、恐る恐る確認の言葉を口にする。


「えっと……一條コーポレーションって、あの? いろいろな分野の事業を手掛けて、そのすべてがそれなり以上の業績だっていう、あの化け物企業!?」

「化け物は心外ですね。努力の賜物とおっしゃってほしいです」

「いえ、十分に化け物です。じゃあ、亜紀はその一條コーポレーションのお嬢様ということなんですか?」

「はい、左様でございます。お嬢様の母君であられた美鈴様。その方の兄君である慎一様が今の代表となっておられます。つまり、お嬢様は一條本家の血を引くお方というわけです。そのことは、お分かりいただけましたでしょうか?」

「分かったような、分からないような……でも、亜紀の本当のお母さんって凄い人だったのね。それなのに、亜紀って平凡そのものじゃない。あ、見た目は可愛らしいけど」


どこか呆然とした表情で由紀子がそう呟いている。それに対して、竹原は何のコメントも発しようとはしない。そんな時、紅茶を飲み終わった夏実が亜紀に向かって明るく声をかけてきた。


「亜紀、私たちもまだ認めていないわよね。でも、こうなったら以上、いつまでも抵抗できないっていうのも事実なの」

「お母さん、なんだか無駄に明るい……」

「当たり前よ。そうしないとやっていけないじゃない」


そう言うと、夏実は表情を読まれないようにプイッと横を向いている。そんな彼女の本心を誰よりも知っている伸吾が宥めるようにポンポンと背中を叩いている。そんな二人の姿を見た亜紀は、グッと拳を握ることしかできない。

それでも、母親が何を言いたいのか知りたい。そんな気持ちがあるのも間違いない。だからこそ、亜紀もどこか蓮っ葉な調子で問いかけることしかできなかった。


「で、お母さん。何が言いたいの?」

「うん。さっきも言ったけど、いつまでも抵抗できないってこと。ほんとに、お父さんの仕事まで強引に休ませてここに呼んでいるんだものね」

「だね……お父さんがここにいることにもびっくりしたけど、いつの間にか白綾に入学することになっちゃってることも驚き」

「なのよね。ま、この人が強引なのは前からみたいだけど、有能なのも間違いないのよね」

「夏実、本人がいる前でそれはないだろう。でも、そういわれても仕方のないだけのものを持ってることは否定しないけどね。それより、今日は有休にしてくれてるのかな? 気にしちゃいけないとは思うけど、どうにも気になってしまう」


伸吾のボヤキ交じりの言葉に竹原は「当然、有休にさせていただいています」と真面目な顔で切り返す。それを耳にした伸吾はやれやれという表情を浮かべることしかできなかった。


「夏実じゃないけど、ほんとに君って優秀なんだね。となると、僕たちが何をいっても聞き入れるつもりはないってことかな?」


その声に竹原は応えようとはしない。だが、それが何よりの返事だということを伸吾も夏実も知っている。だからこそ、大きくため息をついた二人は亜紀の顔を見つめることしかできなかった。


「お父さん、お母さん。どうかしたの?」


どうやら、状況は勝手に進んでいるようだ。そう思った亜紀がひきつった顔で問いかけの言葉を口にする。それに対して、伸吾は仕方がないというような顔をすることしかできなかった。


「うん。亜紀には納得いかないかもしれないけど、ここは腹をくくって、一條家に行っておいで」

「だから、どうして、そうなるのよ~」



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