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「AFFAIR」
たとえ、これが恋だとしても・第Ⅰ部

新しい生活へ 【3】

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「夏実の言いたいこと分かるよ。由紀子ちゃん、驚くことばかりだろうけど、ここは一緒にいてくれないかな? その方が亜紀も安心するだろうし」


伸吾のその言葉に由紀子は諦めるしかないということを察したのだろう。しっかりと服の裾を握る亜紀の手をゆっくりと外しながら彼女の横に腰かけている。その姿に安心したようにホッと息をつく亜紀。夏実はというと竹原の手元を興味津々という目でみつめている。

やがて、カチャカチャと陶器がふれあう音がしたかと思うと亜紀たちの前に並べられる紅茶のカップ。そして、立ったままの姿で竹原は話を始めようとしていた。


「それでは簡単に申し上げます。こちらのお宅、里見家の長女であられる亜紀様は、彼らの実のお子様ではない、ということです」

「はい?」


あまりにもあっさりと告げられた言葉に、由紀子が目を丸くしている。もっとも、本人である亜紀は新年早々の騒ぎのおかげで免疫ができているのが、表情を変える様子はない。当然、伸吾と夏実は事情を知っていたため、顔色を変える様子もない。

とはいえ、そんな友人一家の反応が由紀子には信じられないのだろう。ガシッと胸を掴む勢いで亜紀に詰め寄っている。


「亜紀、その反応って何よ! 私、訳が分からないのよ!」


今の由紀子は信じられないことを聞かされたことで興奮状態になっている。だが、詰め寄られている亜紀はのんびりした調子で応えている。


「うん。由紀子の反応ってよく分かる。だって、私も冬休みに同じ反応しちゃったもの」

「冬休み? じゃあ、亜紀はさっきの話って知ってたわけ?」

「知ってたっていうか、無理矢理、知らされた。白綾学園の願書と一緒にね」


亜紀のその言葉に、由紀子はまたピクンと反応している。これは、先ほどの会話の中で出てきた言葉ともリンクしているのではないだろうか。

澄ました顔で紅茶をサーブしてきた相手である竹原は、亜紀が『白綾学園に入学する』と告げた。そのことに気が付いた由紀子は、信用ならないという表情で彼の顔を睨み付ける。


「えっと……竹原さんっておっしゃいましたよね」

「はい。なんでしょうか」


由紀子が不信感を抱いていることを相手は間違いなく感じているはず。だが、それを気にもしていないような調子で返される言葉。それを耳にした由紀子は、この相手は警戒しなければいけないと頭のどこかで思っている。

だが、この相手は文句なしのイケメン。そういう意味では何されても許してしまいそうになるのだが、それではいけないとばかりに由紀子は気になる言葉を口にする。


「さっき、あなたは亜紀が白綾学園に入学するとかなんとか言ってたけど、それって可能なの? たしかに亜紀は白綾を受けたわ。でも、手続きはしていなかったはずだもの」

「でしょ? ほんとに訳が分からない。そりゃ、合格通知は届いてたわ。でも、そのあとの事務連絡が何もなかったのよ。ま、どっちにしても行くつもりなかったからそのままにしておいたのよ。それなのに、手続きが済んでるっていうじゃない。ほんとにどうなっているのか、ちゃんと説明してほしいわよ!」


まくしたてるような勢いの亜紀に、その場にいた誰もが口をはさむことができない。いや、竹原一人は事情を知っているような涼しい顔をしている。そのことに気が付いた亜紀は、怒りの矛先を彼に向けることに決めたようだった。


「何、なんでも知っていますっていうような涼しい顔してるのよ! 事情を知っているなら、ちゃんと説明して! 冬休みにあんな封筒がきてから、私たちの生活は狂いっぱなしなんだから!」


本来なら年上の相手である竹原には敬語を使うべきだろう。だが、今の亜紀はそんなことを考えている余裕がない。どこか必死という感じで言葉をポンポンとぶつけていく彼女の権幕を竹原はやんわりと受け止めていた。


「お嬢様、少しは落ち着かれてはいかがでしょうか。そのように大声で怒鳴られるのは、お行儀が悪いですよ」

「そんなの、あなたには関係ない!」


亜紀がそう怒鳴りつけるのと、竹原がフッと笑みを浮かべるのは同時。その彼の顔を改めてみた亜紀は、思っていたよりも整っている容姿に顔を赤くしてしまっていた。

何を考えているのか分からない部分もある相手だが、顔の各パーツのバランスは絶妙。イケメンという言葉を文句なしに献上したくなるような雰囲気を放っている。

もっとも、そう思っているのは亜紀だけではない。彼女よりも先に竹原のイケメンぶりに落っこちている由紀子がいつの間にか彼にみとれている。

見事なまでに反応の変わっている二人だが、これで話を続けることができる。そう思った竹原は、仕切り直しというように大きく息を吐いていた。


「落ち着かれましたね。それでは改めてお話させていただきます」

「できるだけ簡潔に。ついでに、分かりやすくお願いします」

「かしこまりました。ところで、あなたのお名前は佐藤由紀子様で間違いはありませんね?」


それまで面識のなかった相手からためらうことなく名前を告げられる。そのことに、由紀子は完全に面食らってしまっていた。もっとも、それは亜紀も同じなのだろう。二人はポカンとした顔で竹原を見つめることしかできない。


「そのような顔をなさらないでください。お嬢様のご交友範囲を調べるのは当然のことです。ですので、佐藤様のお名前もお顔も存じ上げております」

「それって、プライバシーの侵害だと思う」


膨れたようにつぶやく亜紀。そんな彼女の抗議の声を無視するように、竹原は話を続けていく。


「お嬢様にはまだご理解できないことだと思います。ですが、ご理解いただきたいことでもあります。それから佐藤様。さきほど申し上げましたように、こちらのお嬢様は里見家の長女ではありません。お嬢様の実の母君は一條美鈴様とおっしゃいました」


その言い方に何か引っかかるものを感じたのだろう。由紀子が思いっきり嫌そうな表情を浮かべながら言葉を返す。


「その言い方って過去形ですよね。つまり、その人はもういないってことなんですか?」

「佐藤様が飲み込みの早いお方で助かります。ご推察のとおり、美鈴様は10年ほど前に発生した電車の脱線事故に巻き込まれて儚くなられました。その際、お嬢様を預かられたのが、こちらにいらっしゃる里見ご夫婦というわけです」



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