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「AFFAIR」
たとえ、これが恋だとしても・第Ⅰ部

新しい生活へ 【2】

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なにしろ、おかしなことばかりが発生しているのだ。

家の前に止まっているのは、見たこともないような高級車。

カッコいいという言葉しか出てこないような相手が亜紀のことを『お嬢様』と呼びかける。

これらのことに気が付いているはずなのに、無視を決め込もうとしている母親。

そういえば、お母さんってのんびりしたところもあるけど、ある意味で最強だった。そんなことを思い出した亜紀はガックリとうなだれることしかできない。そんなどこか顔色が悪くなっている亜紀に向かって、夏実はのんびりと声をかける。


「ほんとにせわしない子ね。とにかく、由紀子ちゃんも一緒に上がりなさい。あ、竹原さんもね」


夏実の言葉に、亜紀は驚くことしかできない。名前を呼んだということは、この人は知り合いなのだろう。だというのに、今まで『竹原』という名前を聞いた記憶はない。

このことを思い出した亜紀の頭の中では、疑問だけが大きく膨らんでいくのは間違いない。


「ねえ、お母さん。ちゃんと説明してほしいんだけど」


こうなった以上、ちゃんとした説明をしてもらって納得するしかない。そう思った亜紀は恐る恐る問いかけるだけ。そんな彼女の姿に、夏実は分かっているというような表情を向けている。


「亜紀の言いたいことは分かってるわよ。今からちゃんと話すから。それと、由紀子ちゃんにも聞いてもらいたいことだから、二人とも早く入りなさい」

「う、うん……」

「あの……おばさん……私が一緒にいてもいいんですか?」


夏実の言葉に亜紀は微かに頷くが、由紀子はどこか困ったような顔になっている。どうやら、深刻な話があるのではないか。そんなことを敏感に察したのだろう。だが、ここで由紀子に逃げられたくない。そんな思いで亜紀は彼女の腕をグッと掴んでいる。


「由紀子、お願いだから一緒にいてよ。なんだか、嫌な予感もするのよね」

「そういうもの? っていうより、私は今のこの雰囲気でいる方がまずいような気がするんだけど? なんだか、おじさんまでいるみたいじゃない」


由紀子のその声に、亜紀は思わず家の中の気配を探っている。たしかにそう言われれば、父親がいる気配がしないでもない。だが、今日は平日のはず。だとしたら、そんな事あり得るはずがないではないか。そう思っている亜紀に夏実は忘れていた、というような顔をむける。


「あら、由紀子ちゃんって鋭いのね。そうなの、実はお父さんもいるのよね」

「お母さん! ほんとにどうしちゃったのよ。なんだか、いつもと違うじゃない!」

「う~ん、そう言われてもね。とにかく、今から話すことは由紀子ちゃんにもしておいてほしいことだもの。竹原さん、あなたからの説明もいると思うんですけど、大丈夫かしら?」


夏実のその言葉に竹原と呼ばれた相手は腰を深く折ると穏やかな声を出す。


「もちろんでございます、夏実様。それより、お嬢様の入学手続きは終わっております。本日はその書類もお持ちいたしております」

「入学手続きって何? 上洛の合格発表は今日だったのよ。それなのに、手続きが終わっているってどういうこと?」


亜紀の疑問はもっともなもの。だが、彼女の声を耳にしたとたん、竹原が思いっきり困ったような表情を浮かべている。

しかし、それもほんの一瞬。次に亜紀が彼の顔を見たときには、それまでと同じ穏やかな色になっている。


「お嬢様、何か勘違いをなさっておられませんか? お嬢様は白綾学園に入学されることが決まっております。先日の入学試験でも見事な成績を修められていましたし、審査の教員たちも満足していたという話を耳にしております」


淡々とした調子で話す相手に違和感を覚えたのだろう。思わず由紀子が学校で質問をする時のように挙手をする。そして、真剣な表情で問いかけていた。


「あの、一つ訊いてもいいですか?」

「なんでしょうか?」

「あなたがお嬢様っていっているのは、ここにいる亜紀のことなんですか?」


由紀子のその言葉に竹原は至極当然という顔で真面目に返してくる。


「はい、その通りです。それ以外の方、たとえばあなたに対して私がそのように申し上げていると思われましたか?」

「さ、さすがにそれはないです。でも、それって不思議だなって。だって、こういっちゃなんだけど、亜紀ってお嬢様って柄じゃないもの。それに、おじさんも普通のサラリーマンでしょう?」


コクリと首を傾げながら由紀子はそう言葉を紡ぐ。それに対してウンウンと頷く亜紀は由紀子を逃がすまいというように、服の裾をしっかりと握りしめている。そんな二人の様子を見ていた竹原が、大きく息を吐きながらゆっくりと口を開いていた。


「夏実様、先に私から説明した方がよろしいようですね。伸吾様がいらっしゃることでお嬢様も動揺なさっているようですし。それに、今の状況では、お嬢様もお友だちの方も納得なさらないように思えますし」

「そうかもしれないわね。でも、それってあなたにも責任があると思うのよね。今日だって、この人の仕事を急に休ませたのは誰だったかしら? そりゃ、そちらのことは分かってはいるつもりだったわよ。でもね。ここまでやるの?」


呆れたような調子の夏実の言葉に伸吾が「仕方がないよ」とため息を含んだ声で応える。それに対して言葉をぶつけられた方である竹原は顔色一つ変えようとはしない。そのまま、彼は当然というような顔で話を始めようとしている。

そんな姿に夏実は腰かけるようにと促すと、お茶の用意を始めていた。そんな彼女の手を竹原がスッと止めている。


「夏実様、僭越ではありますが、これは私の仕事ではありませんか?」

「人の家でまで職業意識を振りかざさないでくれるかしら? ここは、あなたのいるお屋敷じゃないんだから」

「それはそうかもしれません。しかし、あなたがたご夫婦は美鈴様のご友人であり、お嬢様を今まで育ててくださっていましたし……」


竹原のその声に、夏実はため息で返事をすることしかできない。結局、彼女はどこか投げやりな調子で返事をすることしかできなかった。


「分かったわよ。ほんとに堅苦しい人ね。ま、あなたの淹れる紅茶っていうものに興味がないことはないのよ。だから、ここは任せようかしら」



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