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「FABLE」
Short

結婚狂詩曲 【1】

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きちんと整備された石畳がのびている。その石畳を行き来するたくさんの荷車や馬車。それらは、賑やかなことで知られるグローリアの都を彩るものである。そんな賑やかな大通りを一台の馬車が走っていた。

その馬車は、そこを走っている他のどれよりも豪華なもの。そのためだろう。それを目にした都の人々はポカンとした表情を浮かべ、どこの馬車だろうと噂しているのだった。

そんな人々の声も聞こえないように、馬車は大通りから閑静な通りへと入っている。そこは貴族たちの屋敷が建ち並ぶ一画。その中でも人目をひく屋敷がある。

馬車の目的地がそこなのは間違いない。御者は迷うことなく、そこに入っていく。だが、馬車に気がついたその屋敷の使用人たちはなんともいえないもの。彼らは半ば呆れたような様子で、馬車を迎えていた。


「セバスチャン様、今日もでしょうか?」

「わかりきったことを言うな。馬車の扉にある紋章でわかるだろう」


白いお仕着せに身を包んだ侍女がおそるおそるたずねてくる。その声に、執事は天を仰ぐような様子でため息をつくしかなかった。

そこに、にこやかな笑顔で馬車からおりてくる男。その姿をみたセバスチャンは、ゲンナリした顔をしていた。しかし、男はそんな彼の様子など関係ない、というように晴れやかな表情を浮かべている。


「今日もいい日になりそうだね。セシリアに会いたいんだけれども」


その声にセバスチャンはどう応えようかと悩んでいた。しかし、相手は声をかけたことで了解をえた、とばかりに屋敷の中に入りかける。それをみたセバスチャンは、すっかり慌てふためいていた。


「お、お待ちください。セシリア様はまだおやすみになっておられます」

「そうなのかい? じゃあ、午後からなら会えるかい? いや、会いたいと伝えておいてくれるかな」


このことは自分の当然の権利、といわんばかりの相手の表情。セバスチャンは、それに反抗できない虚しさを感じていた。


「……セシリア様には、そのようにお伝えしておきます」


セバスチャンのその返事に相手は満足した表情を浮かべている。セバスチャンの悩んだ表情とは違い、彼の表情は晴れやかなものであるといえた。

乗ってきた馬車に戻ると帰るようにと伝えている男。そして、馬車が走り去っていくのを見送ったセバスチャンと侍女は、ため息をつくしかないのだった。


「セバスチャン様、このことをセシリア様にお伝えしておきましょうか」


侍女の問い掛ける声にセバスチャンはちょっと首を傾げている。しかし、彼はすぐに結論を出しているのだった。


「念のためにしておいた方がいいかな。お昼前にあちらに行かれることだし。しかし、本当にあれで……」


セバスチャンの嘆きの声は最後まで紡がれることはない。それをするのは失礼にあたる、という認識が彼の中にあるためだろう。結局、盛大なため息だけを残して、彼は屋敷の中に入っていっていた。



◇◆◇◆◇



そこは、屋敷の中のバルコニー。天気のいい時はそこで朝食をとる習慣にしているのだろう。年の頃の似通った二人の女がテーブルについていた。

爽やかな朝の風と光。一日の始まりとしては最高だろうが、一人は不機嫌そうな表情を隠そうとはしていなかった。

その理由は簡単。

彼女たちがいる場所はバルコニーである。となれば、屋敷に出入りする人や馬車もよく見えるというもの。そして、二人のうちの一人は、その馬車の影にすっかりご機嫌ななめとなっていた。


「どうしたっていうの、セシリア。折角の美人が台無しよ」


デザートのフルーツを取り分けながらそう言っている相手。セシリアはその相手を睨みつけながら、挑戦的な態度でいるのだった。


「私は美人ではないです、お義姉様」


心なしか『お義姉様』という言葉に力が入っているような響き。それを耳にした相手はあからさまに嫌そうな顔をしていた。


「お義姉様はないでしょう。私とあなたは昔からの友だちじゃない」

「それでも、あなたはお兄様の奥方だわ。アマーリエなんて気軽に呼べないじゃない」


そう言ってふくれているセシリアをみて、アマーリエは思わず笑い出していた。このところのセシリアが不機嫌な理由はアマーリエにはよくわかっている。

しかし、彼女は夫であるジェフリー、義父であるリチャードから言い含められていることがある。それを遂行するためには、セシリアが不機嫌だろうが何だろうが、関係ない。彼女は、自分のやるべきことをやる、ともいえるのだった。


「どうして、そんなに嫌がるのよ」

「嫌。はっきり言って嫌。この前、アルディス様の口車に乗った自分も嫌」


取り付く島もなくそう言い切るセシリア。そんな彼女の様子に、アマーリエはみせつけるかのようにため息をついていた。


「何か言いたいの」


機嫌が悪いです。という表情を浮かべているセシリア。彼女にすれば、爽やかな朝の気分も一度に吹っ飛んでいたのだ。そのことをわかってくれないアマーリエを睨む視線。それが厳しいものになるのは当然だろう。


「どうして、私じゃないといけませんの。私でなくても、他にも相応しい方がいらっしゃいますでしょう」

「そうかしら。アルフリート様があなたにゾッコンなのは有名よ。他の方がいるはずないじゃない」


アマーリエの声に、セシリアは言い返すことができない。いや、アルフリートが夢中になっている相手は他にいた。

しかし、その相手は公然と口にできる相手ではない。それは、彼の実の妹なのだから。彼が妹のアルディスに夢中になっている。そのことに、周囲は心配していたのだ。

いくらなんでも実の兄妹で結婚などできるはずもない。そして、アルディス自身に好きな相手がいる。それは隣国カルキスの第二王子であるカルロス。彼と相思相愛である彼女は、結婚式をいつ挙げようかという状態なのだ。

しかし、それはアルフリートにとっては、どうしても承知できないこと。その彼が手の平を返したように態度を変えたのだ。その理由は簡単である。今まで、妹アルディスしかみていなかった彼が別の女性に目を向けたのだ。その相手こそがハートヴィル侯爵令嬢セシリア。



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