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「DIVA」
呪歌と姫君

決断と決意 【2】

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どこか凄味のある声がフレデリックの耳を抉っていく。今まで、彼のこういう面がでてきたことは殆どない。それだけに、フレデリックはクロードのことを穏やかでどちらかと言えば組みしやすい相手、だと思っていたのだ。

しかし、それはあくまでも表面上の物。本来のクロードの性格は、どちらかというと激烈ともいえるものだ、ということを今のフレデリックは身を持って感じている。しかし、ここで引き下がるわけにもいかない。彼は冷や汗を流しながらも、クロードに反論していこうとしていた。


「クロード様。そうはおっしゃいますが、陛下にそのことをご確認なさいましたか? その上でのお言葉でしたら、わたしも納得いたします。しかし、そのようなご様子はなかったと思います。ならば、陛下のご意向は分からぬということではないのですか?」


どこか必死になって食い下がるフレデリック。その彼の顔をクロードは冷やかな目で見つめることしかしない。それでも、フレデリックの言葉は彼の論理の弱点をついたのか、その表情が一瞬だが曇っている。それを見逃すことなく、フレデリックは畳みかけるように言葉を続けようとしていた。


「クロード様。わたしの言っていることをご理解いただけましたでしょうか。もし、それならば……」

「黙れ!」


フレデリックの声をさえぎるように叫ばれるクロードの声。その声に、怒鳴られた相手はビクンとなっている。それを見ながらクロードは彼を睨みつけるようにして言葉を続けていた。


「ハイドは、お前に頼まれてザフィーラ伯夫妻を殺害したと言っている。そして、この言葉が真実であるかどうかは宮廷には関係ない。やつらはこの件でギルドに無理難題をいうことができると思っているからな。そうなればどうなるか、お前にも簡単にわかるだろう」


クロードのその声に、フレデリックは今度こそ凍りついたようになっている。さしもの彼もクロードの言葉の意味をはっきりと理解したからだ。そのため、震える唇が言葉を絞り出す。


「わたしは……何をすればいいと……」


その声は先ほどまでの勢いのあるものではない。彼はクロードの言葉を理解した途端、ギルドがのっぴきならない立場に追い込まれかねないことを理解したのだ。

なにしろ、ザフィーラ家というのは伯爵家ではあるが国王の信頼も厚い名家。そこの当主夫妻が殺害された以上、何があっても犯人を捕まえないと沽券にかかわると宮廷は思うだろう。今回はその場で犯人であるハイドが捕縛されたとはいえ、彼が自分の雇主としてフレデリックの名を口にした。

これが、少しでも罪を軽くしてもらおうと彼が足掻いた結果なのか、取り調べをした者の拷問に屈したのかはわからない。それでも、実際に手を下した相手であるハイドの口から黒幕としてフレデリックの名前が出た。そのことがギルドにとっては何よりもの痛手なのだ。

このまま、何の手だても打たなければ、宮廷がギルドを支配するようになるだろう。そのことはフレデリックにもわかっている。だからこそ、彼はどうすればいいのだろうという表情を浮かべながらクロードの顔色をうかがっていた。その彼に対して、クロードは冷徹ともいえる決定を下している。


「たしかに、お前は今までよくやってくれた。だが、お前のやったことをかばうことで、ギルドの存続が危うくなることは許されない。それは分かっているな?」

「はい、クロード様」


その言葉は、先ほどの『大目に見てもいい』というものとはまるで違う。それでも、フレデリックはそう言われることを覚悟していたのか、がっくりと首を垂れながらそう応えることしかできない。その彼に対して、クロードは最終通牒ともいえる言葉を投げつけていた。


「ギルドは守らなければならない。そして、お前一人を守るために他のメンバーを路頭に迷わせるわけにはいかない。この意味はわかるな?」

「わたしに死ね、とおっしゃいますか」


フレデリックのその声に、クロードは唇を歪めている。彼にすれば、たしかにフレデリックは自分とは考えの違う相手。だからといって、これを機会に完全に抹殺してしまおうとは思ってもいない。

何かを考えるように目を瞑ったクロードは一呼吸おくと、再びその視線を上げていた。その目が正面からフレデリックを捕まえている。


「何もそんなことなど思ってはいない。お前が今までギルドに対して尽くしてくれたことも、俺はよく知っている」

「クロード様……」


先ほどまでの激烈な口調とは違う穏やかなそれに、フレデリックは感極まったような声を出している。その彼に対して、クロードはハッキリとしたことで自分の思いを告げる。


「お前を殺しはしない。だが、長老としての地位は剥奪する。しばらくはギルドにも顔を出すな。できる限り、俺がお前を守ってやる。それは、長としての俺がやらなければいけないことだ」


そう言うなり、クロードはフレデリックにその場から出ていけというように手を振っている。それを目にした彼は、クロードの思いに何かを感じたのか、深々と腰を折るとその場から静かに離れることしかできなかった。



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